説明
ラ・マリオーザ
「ロレンツォ・コリーノ」
自然農法のヨーロッパの権威。環境保全農学者の最高エキスパート。
学者というと研究所に篭りがちのイメージだが、自分自身もピエモンテでカーゼ・コリーニという蔵元でワイン造りをしている実践派の学者。
オーナーのアントネッラとの出会いは、人づて。
アントネッラが、講演中の忙しいロレンツォに電話をしたそうだが、その時は冷たく断られてしまった。
しかし縁あって、ロレンツォがマリオーザ農園で一番高い丘からの景色を見た際に
「この景観を、自分の経験で救う手伝いをしよう。」と心に決めたそうだ。
「アントネッラ・マヌリ」
女性オーナーで、ミラノの実業家。
金融業界から家業のホテル経営に携わり、イタリア有数のリゾートホテルの社長に就任。
ホテル業で長年暮らしてきた、愛するマレンマの自然が危機に瀕している事に気付いた。
農業に従事している人々があまりにも無関心のため、
「自分がやるしかない。」と、使命感にかられ、広大な農園をより自然な方法で作り変える事を決意。
なんと家業を辞めたのだ!!
自らが惚れ込んだ、マレンマの環境と景観を守るため、たった1人で立ち上がった!
~ラ・マリオーザのワイン~
【栽培】
無農薬、無化学肥料は当然。さらに深い思慮、哲学が息づいている。
1.ぶどうを植えるが、景観は決して壊さない。
2.縦1列にぶどうを植える事はしない。通常収穫効率を上げるためにキレイに1列に植える事が多いが、
起伏に沿って、同じ高さを左右にうねりながら植えていく。
そうすることで段々畑になり、そこにオリーブの木を植えていく。
3.畑の上下により品質は、もちろん変わってきてしまう。
そこで五角形の「アルベレッロ」という植樹法を用いる。
4.同一品種タイプで畑を作らない。
例えばサンジョヴェーゼでも、粒の大小や果皮の色の違いなど、様々なビオディポがある。
それらを混ぜながら植えていく。
【醸造】
1.収穫後のぶどうは、すぐに潰さず3日ほど寝かせる。
簡単に言うと肉の熟成と同じとのこと。
寝かせる事で落ち着く他、数日間放置する事で果皮にある酵母が発酵準備を始める。
2.果実はほとんど潰さない。
こうすることで、長い醸しを行っても嫌な苦味が出ず、複雑さを感じつつも、
完璧なフレッシュな果実味が出る。
3.発酵は温度管理なしのセメントタンクで1ヶ月。全て自然にお任せ。人の介入を極力無くす。
その後、セメントタンク、バリック、大樽などで約1年間熟成をさせる。
4.原則的にSO2は無添加。ごく稀に、必要最小限を加える事がある。